成年後見人、補佐人、補助人の司法書士の伊東弘嗣です。
下の動画は2011年に作成されたもののようですが、内容は全然古びていません。むしろ、8年後の現状を知っているかのようで、驚きです‼️
現状は、このような根本的な問題のある制度をさらに広め、意思決定支援をしようという方向に舵を切っているのですから、はっきり言ってうまくいきっこありません。理念だけでは飯は食えません。このままでは専門職がますます疲弊していくだけです。
生活困窮者が成年後見制度を利用するに当たっては、措置制度も含め成年後見制度の抜本的改革が必要だと私も思います。
成年後見制度利用支援事業の充実にばかり目が行き、全くもって思考停止しておりました。猛省。
従来の禁治産・準禁治産制度は、「財産のある人」の財産を守るための制度。そこに、2000年に法務省がノーマライゼーションの精神を採り入れたものが現在の成年後見制度。もっとも、制度の骨格は従来とあまり変わらず。→ここに制度の歪みが。
従来であれば、生活困窮者の入所は措置によっていた。そしてそれは現状でも可能である。しかしながら、首長申立てしてでも措置をしないのは、措置については、本人が不服申立てができるのに対し、法定代理人たる成年後見人による契約によれば、本人に不服があったとしても、契約としては有効であるため、本人の不服を封殺できてしまう。つまり、首長申立は行政の責任逃れの手段とされているのである。
そういうことからしても、成年後見制度を意思決定支援の制度と捉えるならば、抜本的な見直しが必要であろう。
現状、成年後見制度における意思決定支援の重要性が叫ばれており、上の動画内での問題提起に対して一定の歯止めがかかりそうな情勢です。しかしながら、それは、極めて手のかかるものです。報酬の見込めない方の意思決定支援に実際どこまで力を注げるのか、という現実的な問題があります。そういう意味でも、抜本的な見直しが必要であろうと私も考えます。
今年度に取り組むべき課題がまたひとつ見つかりました。
伊東弘嗣司法書士事務所
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