(クイズ)弁済供託した賃料の時効期間経過後の取戻請求

Q 賃料を供託していましたが、賃料の弁済期から5年が経過し賃料請求権が時効消滅したので、供託した金銭を取り戻すことにしました。

さて、供託金取戻をすると、民法496条により供託しなかったとみなされる?それともこの取戻は供託法8条2項に基づくもの?なお、被供託者は供託を受諾しておらず、また、供託を有効とする判決もない。

A1 時効消滅は時間の経過により客観的に明らかとして供託法8条2項に基づいた取戻請求だ。

A2 供託原因が消滅したことを証明する書面が存在しない以上、民法496条による取戻だ。

A3 債務不存在確認訴訟の確定判決が供託原因が証明したことを証する書面となり、この場合は供託法8条2項に基づいて取戻請求できる。

A4 債務不存在は供託しているからこそ。債務不存在確認訴訟の確定判決は、供託原因が消滅したことを証明する書面にはならず、やはり民法496条により取戻しになる。取戻した後に消滅時効を原因とする債務不存在確認訴訟をするしかない。

-----

 弁済供託の効果に関する通説は、供託により債務消滅、取戻権行使により債務復活(取戻権行使が解除条件)のようなので、かかる説によれば、A4が妥当するか。

 もっとも、時効を原因とする債務不存在確認訴訟自体は、形式上は可能と思われる。

 要は、法務局がどういう見解かの問題のようですね。

 聞けるタイミングがあれば確認してみます。

----

供託法第8条 供託物ノ還付ヲ請求スル者ハ法務大臣ノ定ムル所ニ依リ其権利ヲ証明スルコトヲ要ス

 2 供託者ハ民法第四百九十六条ノ規定ニ依レルコト、供託カ錯誤ニ出テシコト又ハ其原因カ消滅シタルコトヲ証明スルニ非サレハ供託物ヲ取戻スコトヲ得ス

民法第四百九十六条 債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、弁済者は、供託物を取り戻すことができる。この場合においては、供託をしなかったものとみなす。

2 前項の規定は、供託によって質権又は抵当権が消滅した場合には、適用しない。


<ご相談は下記までお気軽にどうぞ。>

伊東司法書士事務所

司法書士 伊東 弘嗣

〒532-0011

大阪市淀川区西中島六丁目2番3号

チサンマンション第7新大阪507号室

電話06-6476-9004

FAX050-3737-8732

伊東弘嗣の司法書士事務所

新大阪・西中島界隈にある事務所です。司法書士・社会福祉士・行政書士・もうすぐで社労士・大学生である伊東弘嗣がその知識と経験を活かして様々な問題解決・改善のサポートをします。

0コメント

  • 1000 / 1000